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気候危機とアートの対話をつむぐ年刊誌『ARON'S JOURNEY(アーロンズ・ジャーニー)』創刊

『ARON’S JOURNEY(アーロンズ・ジャーニー)』表紙、デザイン:((STUDIO))

NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ(AIT)では、気候危機とアートのアクションを考えるプロジェクト「アート・クライメイト・コレクティヴ・ジャパン(ACCJ)」の活動をまとめた年刊誌『ARON’S JOURNEY(アーロンズ・ジャーニー)』を創刊しました。

ACCJが2024年に行った勉強会やシンポジウムをはじめ、特設ウェブサイトの立ち上げ、翻訳や情報発信といった1年間の活動をまとめた年刊誌です。さらに、プロジェクトを支えるメンバーによる対話や、プロジェクトの背景を綴った文章も収録しています。 

本誌が地球環境に関する対話を生み出し、紡いでいくきっかけとなればという願いをこめて、2025年 7月14日(月)にvol.1を発行しました。

創刊日となる7月14日は「世界チンパンジーの日」(World Chimpanzee Day)。この日は、野生チンパンジー研究の先駆者であるジェーン・グドール博士が、アフリカ・ゴンベの地に初めて足を踏み入れ研究を開始した1960年を記念しています。博士は、チンパンジーが自ら道具をつくり、それを使うという行動を初めて明らかにしました。当時、道具の使用は人間だけに見られる特徴とされていたため、この発見はそれまでの常識を根本から覆すものでした。

特にこの数年、世界各地で異常気象が記録され、地球上のすべての生き物の暮らしが脅かされているいま、改めて地球環境や私たちの未来について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。


ひとりでは抱えきれない大きな課題を、ともに考えるきっかけに

Aron Landahl 《Island》Stora Karlso Nature Reserve, 2012

誌名の由来は、スウェーデンの政府系文化交流プログラム「IASPIS(イアスピス)」を通じて2019年に来日したアーティスト、アーロン・ランダールが北欧からシベリア大陸を横断し、東京に辿り着いた長い旅にあります。現在は戦争の影響で、同ルートを辿ることは困難になりましたが、アーロンの鉄道とフェリーの旅は、私たちにとって、環境の観点から日々の行動を選択することの意味を改めて問い直すひとつのきっかけとなりました。

本誌には、私たちの想像力をひらくアーロンの旅の記録写真や、自然や動物を美しく緻密に描いたイラストレーションのほか、AITのGreen Teamによるお薦めの書籍・映画・音楽も掲載。「気候危機とアートのアクション」を個々の視点から捉え直し、小さな行動の積み重ねがやがて意味ある変化につながるという静かな希望に焦点をあてた内容です。

『ARON’S JOURNEY』は、限定部数の発行のほか、ACCJ公式サイト上で無料公開しています。ぜひご覧ください。

ARON’ S JOURNEY 表紙
Aron Landahl《Burrow, Group therapy (Social workers)》, 2015

概要

媒体名 

ARON’S JOURNEY vol.1 Art Climate Crisis Action
アーロンズ・ジャーニー 気候危機とアートのアクション

発行日  2025年 7月 14日

発行部数 800部限定(およびウェブサイト上に公開)

発行元  AIT Press
      特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ

企画   アート・クライメイト・コレクティヴ・ジャパン(ACCJ)
      ロジャー・マクドナルド、塩見有子、堀内奈穂子、藤井理花
編集    井出幸亮、藤井理花 
執筆    ロジャー・マクドナルド、藤井理花、堀内奈穂子、井出幸亮、安永哲郎
アートディレクション    峯崎ノリテル((STUDIO))
デザイン    正能幸介 ((STUDIO))
イラスト    アーロン・ランダール
印刷・製本    シナノ書籍印刷株式会社


アート・クライメイト・コレクティヴ・ジャパン(ACCJ)について 

アートセクターの気候危機への意識向上と理解促進、また、その対策における有用なツールやリソースの発信、協働と支援の場を提供することで、アートセクター全体が地球環境に配慮した活動を構築することを目的としたプロジェクト。https://accj.a-i-t.net/


運営:特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
特別助成:公益財団法人石橋財団
寄付:株式会社ハースト婦人画報社
個人寄付:渡伸一郎


Photo:気候危機とアートのシンポジウム「アートセクターはどのようにアクションを起こせるか」(代官山ヒルサイドプラザ、2024)より Photo by Yukiko Koshima

気候危機とアート とは?

気候危機とアート

アートがもつ表象の力、美術史や言説と気候危機の関係、そして具体的な実践について、AITの活動全体を通じて追求していきます。アート・オンライン講座「崩壊の時代の芸術体験」コースやTASで行っている講座と合わせてご活用ください。

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