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美術手帖にて公開|アートと気候危機のいま vol.2 「エコ・ヒーロー」と呼ばれるアーティスト、ジェシー・シュレシンジャー

TOTAL ARTS STUDIES(TAS) プログラム・ディレクター、ロジャー・マクドナルドによる、美術手帖ウェブ版での気候危機とアートについての連載記事シリーズ「アートと気候危機のいま|Art and Climate NOW」。ニュースとインタビューで海外の動向の「いま」をわかりやすく紹介する連載の第2回は、サンフランシスコを拠点に活動するアーティスト、ジェシー・シュレシンジャーへのインタビューをお届けします。


ある人は彼を「エコ・ヒーロー」と呼ぶ。自然環境に対して強い倫理感をもち、発表する作品のみならず、自身の生活においても一貫して社会的責任を果たそうとするその姿が、人びとに無視できないレベルで影響を与えているからだ。

 大工の二代目として生まれたジェシー・シュレシンジャーは、いつも「場所」への関心を絶やすことはない。その場所がもつ記憶(あるいは歴史)を、人々がどのように経験し、理解していったのか。そのプロセスを知りたいという一心から、ドローイングや写真、彫刻、インスタレーションといった様々なメディアで作品をつくり続けている。

ジェシー・シュレシンジャー Kiri 2018
Photo by Mariko Reed

彼は、自然のなかにあるものを拾い集め、素材として生かすことが多く、その作品からは手仕事の痕跡をありありと感じることができる。それもそのはず、彼の父親は伝統ある木工技術を受け継ぎ、職人技を大切にする大工であり、彼自身その父親から受けた影響は大きいという。家には小さな農場もあり、農作業にたずさわるなかで自然を身近に感じながら子供時代を過ごした。彼のユニークな創作精神は、そうした生育環境のなかでおのずと形成されていったのだろう。

ジェシー・シュレシンジャー
Photo by Andrew Paynter

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TOP画像:ジェシー・シュレシンジャーが船越雅代とのコラボレーションのために制作した「Redwood cups」(2021)
Photo by Kanoa Zimmerman


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