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気候危機とアートのシンポジウム「アートセクターはどのようにアクションを起こせるか」

Designed by Noriteru Minezaki, Photo by Takako Noel

NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ(以下AIT)では、2024年7月27日(土)に、気候危機とアートのアクションを考える場として、1日限りのシンポジウムを開催いたします。

ゲストスピーカーには、環境社会学の専門家である茅野 恒秀氏、森美術館 館長 片岡 真実氏、十和田市現代美術館 館長 鷲田めるろ氏、Yutaka Kikutake Gallery代表 菊竹寛氏、そして、ヤマト運輸株式会社(美術)コンサヴァター相澤 邦彦氏を招き、基調講演とパネルディスカッションを行います。

クロージング・パフォーマンスには、作家/アーティストの小林エリカ氏が参加します。


近年、気候危機と生物多様性の喪失はますます深刻化し、人々の生活に大きな影響を及ぼしています。そうしたなか、芸術セクターにいる私たちは今、どのようなアクションを起こすべきなのでしょうか。

世界における芸術セクターの二酸化炭素排出量は、約7000万トン(シンガポールの年間の二酸化炭素排出量をわずかに上回る)と言われており、この数字は航空業、農業、建設業などの産業セクターに比べると比較的少ないことがわかっています。一方で、気候危機の壊滅的影響を少しでも減らすために、芸術セクターにおいても、具体的なアクションを起こすことは喫緊の課題だと言えます。
加えて、芸術が果たす重要な役割の一つとして、作品や表現を通じて人々の環境意識を高めること、そして領域横断的に人々の連携を生み出すことが考えられます。

本シンポジウムでは、気候科学者や芸術関係者の基調講演やパネルディスカッションを通して、今後、アーティスト、美術館、ギャラリーやアートスペースなどをはじめ、芸術に携わるあらゆる人々が、気候危機対策の実践者となることを目指します。

当日は、日本に限らず海外における気候危機アクションの最新の動向やデータを紹介しながら課題や問いを参加者と共有し、芸術セクターの未来について共に考えます。何より重要なこととして、議論のみに収束することなく、私たち一人一人が意識を変え、日々の活動の中でできる範囲の脱炭素化をそれぞれが実現することを促します。

*同日には、イギリス・ロンドンを拠点とする「ギャラリー気候連合(Gallery Climate Coalition [GCC] )」による『脱炭素に向けたギャラリーとアートセクターのためのアクションプラン』(全62ページ/英語)の日本語翻訳版を公開します。


概 要

日時 2024年 7月 27日(土)13:00〜17:00 (12:30開場)
会場 代官山ヒルサイドプラザホール(代官山、渋谷区)

〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町29-10 ヒルサイドテラス内

定員 120名 *参加費無料、要予約、入退場自由
言語 日本語

スピーカー(順不同、敬称略)

基調講演 日本における気候危機の現状、ゼロカーボンへの道筋
茅野 恒秀(信州大学 人文学部 准教授)

世界のアート界の気候危機アクション 最新の動向
ロジャー・マクドナルド(AIT TOTAL ARTS STUDIESプログラムディレクター/多津衛民藝館 館長)

パネルディスカッション(各スピーカーのプレゼンテーション+ディスカッション)
相澤 邦彦(ヤマト運輸株式会社グローバル事業戦略部 美術品ロジスティクス営業・オペレーション課スぺシャルアドヴァイザー/コンサヴァター)
片岡 真実(森美術館 館長/国立アートリサーチセンター長)
菊竹 寛 (Yutaka Kikutake Gallery 代表)
鷲田 めるろ(十和田市現代美術館 館長/東京藝術大学大学院 准教授)

パフォーマンス参加
小林 エリカ (作家/アーティスト)

モデレーター
塩見 有子、堀内 奈穂子(AIT)

タイムスケジュール

12:30 開場 

13:00 – 13:10   主催者挨拶  

13:10 – 13:50   基調講演:日本における気候危機の現状、ゼロカーボンへの道筋(茅野 恒秀氏) 

13:50 – 14:10   世界のアート界の気候危機アクション 最新の動向(ロジャー・マクドナルド) 

14:10 – 14:30    休憩

14:30 – 16:30   パネルディスカッション 気候危機対策に向けたアートセクターの転換(片岡 真実氏、菊竹 寛氏、鷲田 めるろ氏、相澤 邦彦氏) プレゼンテーションとディスカッション+質疑応答

16:30 – 16:45   クロージング・パフォーマンス(小林 エリカ氏) 

17:00 閉会

*会場は禁煙です。
*専用駐車場はありません。
*会場内でのご飲食はご遠慮いただいております。蓋付きのペットボトルや水筒などのご持参のみ可能です。
*会場内のブースで、書籍『DEEP LOOKING』やAITの関連グッズの販売を行います。
*席に限りがありますため、予約後にキャンセルの場合は必ず事前に「Peatix」のチケットページより、キャンセル手続きを行っていただくようお願いいたします。

主催 特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]

特別助成 公益財団法人石橋財団


スピーカー プロフィール(順不同、敬称略)

茅野 恒秀(信州大学 人文学部 准教授)
1978年東京生まれ。博士(政策科学)。専門は環境社会学、環境・地域エネルギー政策。20年以上にわたって森林資源管理やエネルギー政策と地域社会の関係を研究。郷土史から政策までを幅広く扱うフィールドワーカー。長野県環境審議会の専門委員として長野県ゼロカーボン戦略の策定と「地域と調和した太陽光発電事業の推進に関する条例」の制定に関わる。長野県内外の市町村の地球温暖化対策実行計画の策定や地域脱炭素事業の推進を支援。環境社会学会理事(編集委員長)、日本自然保護協会評議員、長野県「くらしふと信州」運営ミーティング座長、安曇野市里山再生計画推進協議会会長、松本平ゼロカーボン・コンソーシアム運営委員長などを務める。

相澤 邦彦(ヤマト運輸株式会社グローバル事業戦略部 美術品ロジスティクス営業・オペレーション課 スぺシャルアドヴァイザー/コンサヴァター)
1975年山口県生まれ。成蹊大学文学部卒業。これまでに美術修復研究所研究員、森美術館コンサヴァター、兵庫県立美術館保存・修復グループ学芸員、金沢21世紀美術館コンサヴァター/保存管理グループリーダーを務め、近現代美術作品の保存修復、調査研究、教育普及活動及び美術館運営全般に携わる。2023年より現職。論著に“The Specific Nature or Publicness of the Conservation of Contemporary Art and the Functions of Art Museums”, Fórum Permanente and University of São Paulo eds., Periódico Permanente Journal, No. 10(2023年)、「加速する作品活用とロジスティクス的対応の課題」全国美術会議編『ZENBI vol.25』(2024年)、日本博物館協会編『博物館資料取り扱いガイドブック(第2次改訂版)』(ぎょうせい、2023年)などがある。神戸女子大学特別講師。

Photo: 伊藤彰紀

片岡 真実(森美術館 館長/国立アートリサーチセンター長)
ニッセイ基礎研究所都市開発部、東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て、2003年より森美術館、2020年より現職。2023年4月より国立アートリサーチセンター長を兼務。ヘイワード・ギャラリー(ロンドン)インターナショナル・キュレーター(2007~2009年)、第9回光州ビエンナーレ共同芸術監督(2012年)、第21回シドニー・ビエンナーレ芸術監督(2018年)、国際芸術祭「あいち2022」芸術監督(2022年)。CIMAM(国際美術館会議)では2014~2022年に理事(2020~2022年に会長)を歴任。

菊竹 寛(Yutaka Kikutake Gallery 代表)
1982年生まれ。タカ・イシイギャラリー勤務を経て、2015年夏にYutaka Kikutake Gallery を開廊。以来、日本を拠点にするアーティスト達の活動を支え、国際的なプラットフォームへ紹介することを続けてきた。また、さまざまなワークショップを継続的に開催し、直近の現代アートの歴史を踏まえながら、新しい価値観がグローバルに飛び交う現代の社会におけるアートの意義を考える場を生み出すことに挑戦している。 GCCの活動を学びながら、東京を拠点に何ができるかを日々考えている。シンポジウムでは、アーティストによる実践の姿を紹介しながら、東京の地で取り組みたいことを話したい。

Photo: 小山田邦哉

鷲田 めるろ(十和田市現代美術館 館長/東京藝術大学大学院 准教授)
金沢21世紀美術館キュレーター(1999-2018)を経て現職。「第57回ヴェネチア・ビエンナーレ」(2017)国際美術展日本館キュレーター、「あいちトリエンナーレ2019」キュレーター。主な企画に、金沢21世紀美術館では「妹島和世+西沢立衛/SANAA」(2005)、「金沢アートプラットホーム2008」、「イェッペ・ハイン 360°」(2011)、「島袋道浩:能登」(2013)、「3.11以後の建築」(2014、ゲスト・キュレーター:五十嵐太郎、山崎亮)、「われらの時代:ポスト工業化社会の美術」(2015、共同企画)、「起点としての80年代」(2018、共同企画)などがあり、十和田市現代美術館では「インター+プレイ」(2020-22、共同企画)などを手掛ける。著書に『キュレーターズノート二〇〇七-二〇二〇』(美学出版、2020)。

小林 エリカ (作家/アーティスト)
目に見えない物、時間や歴史、家族や記憶、場所の痕跡から着想を得た作品を手掛ける。著書は小説『トリニティ・トリニティ・トリニティ』(英語版 「Trinity, Trinity, Trinity」翻訳Brian Bergstrom(AstraHouse刊)日米友好基金日本文学翻訳賞2022-2023受賞)『マダム・キュリーと朝食を』(第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)(共に集英社)他。コミックに“放射能”の歴史を辿る『光の子ども 1-3』(リトル・モア)。インスタレーション作品も国内外で発表し、主な展覧会は「Omoshirogara」(MuseumDKM, Duisburg、ドイツ)、「りんご前線 — Hirosaki Encounters」(弘前れんが倉庫美術館)、「話しているのは誰?現代美術に潜む文学」(国立新美術館)、「六本木クロッシング2016: 僕の身体、あなたの声」(森美術館)他。最新刊は音楽家寺尾紗穂との音楽朗読劇作品にもなった『女の子たち風船爆弾をつくる』(文藝春秋)。http://erikakobayashi.com

ロジャー・マクドナルド(TOTAL ARTS STUDIES プログラム・ディレクター/フェンバーガーハウス館長/多津衛民藝館館長)
東京生まれ。イギリスで教育を受ける。学士では、国際政治学。修士では、神秘宗教学を学ぶ。博士号では、『アウトサイダー・アート』(1972年)の執筆者ロジャー・カーディナルに師事し美術史を学ぶ。長野県佐久市に移住後、2013年に実験的なハウスミュージアム「フェンバーガーハウス」をオープン、館長を務める。AITでは、設立メンバーの一人として、現代アートの学校MAD(Making Art Different)やTAS(TOTAL ARTS STUDIES)のプログラムディレクションなどを担当。主な著書に、『DEEP LOOKING(ディープ・ルッキング)想像力を蘇らせる深い観察のガイド』(2022年、AIT Press)。美術手帖が運営するアートポータルサイトにて、気候危機とアートについての連載記事シリーズ「Art and Climate NOW」を掲載中。2024年より「平和と手仕事 多津衛民藝館」(長野県佐久市)館長を務める。

Photo by Yukiko Koshima

塩見 有子(AITディレクター)
学習院大学法学部政治学科卒業後、イギリスのサザビーズインスティテュートオブアーツにて現代美術ディプロマコースを修了。帰国後、ナンジョウアンドアソシエイツにて国内外の展覧会やアート・プロジェクトのコーディネート、コーポレートアートのコンサルタント、マネジメントを担当。2002年、仲間と共にNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]を立ち上げ、代表に就任。AITでは、組織のマネージメントのほか、レジデンス・プログラムやメルセデス・ベンツやマネックス証券、ドイツ銀行、日産自動車など、企業による芸術支援プログラムのコンサルティングなどを行う。その他、財団や企業等の委員やアドバイザー、審査員などを務める。

堀内 奈穂子(AITキュレーターディア ミーディレクター)
エジンバラ・カレッジ・オブ・アート現代美術論修士課程修了。2008年より、AITにてレジデンス・プログラムや展覧会、シンポジウム、企業プログラムの企画に携わる。ドクメンタ12マガジンズ・プロジェクト「メトロノーム11号 何をなすべきか?東京」(2007)アシスタント・キュレーター、「Home Again」(原美術館、2012)アソシエイト・キュレーターを務める。国際交流基金主催による「Shuffling Space」展(タイ、2015) キュレーター、「Invisible Energy」(ST PAUL St Gallery、ニュージーランド、2015)共同キュレーター。アーカスプロジェクト (2013) 、パラダイスエア(2015、2016)、京都府アーティスト・イン・レジデンス事業「大京都in舞鶴」(2017)のゲストキュレーターを務める。 2016年より、AITの新たなプロジェクトとして、複雑な環境下にある子どもたちとアーティストをつなぐ「dear Me」プロジェクトを開始。アートや福祉の考えを通した講座やワークショップ、シンポジウムを企画する。


気候危機とアートについてより学びたい・知りたい方はこちら!

約1ヶ月間集中して学ぶ少人数制・対面型のコース
TASラボ シリーズ3「宇宙船地球号での生活と、今、アクションを起こすとき

芸術は、長い人類の歴史の中で、常に私たちの社会や精神的な領域と深く結びつき、新しい理解や考え方を示してきました。困難な時代の中で、私たちはどのようにより効果的な気候変動対策を講じ、その先の世界を想像できるのでしょうか。ここでは、芸術が持つあらゆる効能について考察します。

期間:2024年7月11日(木)〜8月1日(木)
時間:19:00-21:00
場所:代官山AITルーム
回数:全4回 
定員:16名 ※最少催行人数あり

ゲスト:円香 / Madoka(現代魔女、VR/XRアーティスト)

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TASオープン「What is Art Today? ー深化するアートの世界

「キュレーションのビジョン」「アート・インダストリー」「アートとケアの実験性」の3つのテーマを取り上げます。これらのテーマは、近年、AITが取り組んできた芸術と気候危機、メンタルヘルスについて考察する活動ともつながっており、現場を知る専門家ならではの学びを提供します。

期間:2024年5月〜12月
時間:19:00-20:00
場所:オンライン(Zoom)
回数:全20回
定員:各回 40名

AIT BLOG
芸術分野から考える、気候危機へのアクション

気候変動に関するアクションの事例を年代順に紹介する「気候危機とアートのタイムライン」(2005〜2021年まで)や、書籍の紹介、過去に開催したTASレクチャー動画や勉強会のレポートなど、アートがもつ表象の力、美術史や言説と気候危機の関係、そして具体的なアクションや実践について考えていくシリーズを公開中です。