藤高晃右(Tokyo Art Beat, NY Art Beat共同設立者)
2004・2006年度MADクリティカルリーダーズ修了
2004年度MADキュレーション修了
聞き手:脇屋佐起子
2010年度MADキュラレトリアルスタディーズ修了
街なかでぽっかりと時間があき、何か近くで見られる展示ないかなと思う時、手のひらに携帯電話があれば、とても優秀なコンシェルジュ役を果たしてくれる「Tokyo Art Beat(以降TAB)」は、今日の東京でアートを鑑賞する上で欠かせないツールになっている。日本のアートを世界に発信したいという思いと、日本語に偏りがちな東京のアート情報に不便を感じる外国人との出会いから生まれたTABを軌道に乗せた後、藤高はアートの中心地NYに拠点を移し、現在も運営を続ける「NY Art Beat(以降NYAB)」を立ち上げることになる。TAB立ち上げの経緯や現在のNYアート事情、今後の展望などについて、メール形式でインタビューを行った。
1. MAD受講のきっかけを教えてください
藤高:携帯電話のメーカーに勤めていた当時、アート分野へキャリアチェンジを考えていて、いろいろな方に相談していたところアラタニウラノにいた荒谷さんからMADを薦めて頂きました。
2. MADで得たものはどんなものでしたか?
藤高:同年代の似たような関心を持つ友達に出会えたことは大きいですね。当時の同級生が現在はギャラリーで働いていたり、アートプロデューサーになったり、アートの広報をやっていたりと、今思えばMADで一緒だったのだと感慨深いです。
友達を通じて新しい作家を知ったり、また新しい友達ができることも多かったですし、それぞれが違うバックグラウンドで違う形でアートに関わっているので、知らないことを教わったり、自分ではできないことをお願いすることもありました。初期にTABを一緒に立ち上げたメンバーの多くはMADを通じて知り合った友達でしたし、何人かは今でも強力なサポーターとして手伝ってくれています。また、逆に友達が関わったアートイベントの広報の手伝いをしたりしました。
3. 受講されてみて、美術との関わり方に変化はありましたか?
藤高:それまで、もやもやとしていたアート業界の成り立ちをしっかり認識できたことと、アート業界のそれぞれのプレーヤーの顔が見えたことで、逆にそこに足りないもの、自分ができそうなことが具体的になり、それが後にTABを立ち上げるひとつのきっかけにもなりました。
友人と展覧会を企画、実施する経験を通して、展覧会にまつわる行為(企画、場所の手配、お金の管理、広報などなど)を実感する機会を得ることも出来ましたし、日本だけでなく、海外の動向も積極的に紹介して頂いたことで、アート業界の世界的な広がりについても関心をもつことができました。
西尾美也さん(現代美術家)
2007年度MADアーティスト・コース修了
2009年度AITスカラシップ・プログラム受賞アーティスト
聞き手:脇屋佐起子
2010年度MADキュラレトリアルスタディーズ修了
誰もが日々無意識に行う表現活動とも言える「装い」。装う行為の中にコミュニケーションの可能性を見出そうとする西尾美也は、街なかで通行人と洋服を交換する《セルフ・セレクト》や、こどもたちが大人へのインタビューから拾い上げた言葉から、イメージを膨らませて洋服をデザインする《Forms on Words》など、実験的でユニークな作品を発表してきた。現在は活動の場所をケニア・ナイロビに移し、日本とは異なる環境のなかで試行錯誤を繰り返しながら、活動の幅を広げている。「学ぶ」ことが「作る」ことに与えてくれた影響、アフリカでの活動や今後の展望などについて、メール形式でインタビューを行った。
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1. 美術と出会ったきっかけを教えて下さい。
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西尾:父親が趣味でよく絵を描いていたり、おもちゃとして面白いモノを作ったりしてくれていたので、小さい頃から自分も描いたり作ったりするのは好きでした。
美術作品に感動したという経験はあまりなくて、たしか浪人時代に読んだ川俣正さんの『アートレス -- マイノリティとしての現代美術』で、現代美術って面白いなと思いました。もちろんプロジェクト紹介のひとつひとつが新鮮で壮大で驚きましたが、「美術館のインスタレーションより工事現場の方が面白い」とか、「メディアアートよりゲームセンターの方が面白い」というような記述があって、確かにと思うと同時に、普段自分も経験しているような事象への着目が、アートレスとは言うものの、最先端の美術になり得るのだという発見がありました。あと写真で見る川俣さんのアーティストっぽくない感じとか、知的なのか文法が間違っているだけなのか、よくわからなくなるような独特の文体にも惹かれました。
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『アートレスーマイノリティとしての現代美術』表紙
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「若手作家を美術史に位置づける支援をしていきたい」
今井曜子さん(SCAI THE BATHHOUSE)
2007年度MADアート&コミュニケーション修了
聞き手:脇屋佐起子
東京・谷中にあるSCAI THE BATHHOUSE(以下、SCAI)は、銭湯を改築した特徴的な空間と巨匠から若手まで幅広いセレクトでエッジを利かせた展示に定評のある現代アートのギャラリー。そのSCAIに2011年の春から勤務している今井曜子さんを迎え、「アートを仕事にするために!」と題して、アートに興味を持ったきっかけ、アート業界を知ること、アートを仕事にすることについて、公開インタビュー形式でお話を伺った。
アートに関心を持つ
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聞き手(脇屋):今井さんは、現在台東区谷中にあるSCAI THE BATHHOUSEという現代アートを扱うギャラリーで仕事をされていますが、そもそもアートに関心を持ったきっかけについてまず伺いたいと思います。
今井:四年制大学の法学部卒業なので、美術について直接学ぶことはなかったのですが、旅を通じて現代アートと出会いました。高校生の頃から展覧会を見たり、美術の授業で何か作ったりすることは好きなほうでしたが、大学2年生の休みにヨーロッパ12カ国を周った時に、それまでに見たことのないものを見て人間の創造力のすごさに感動し、いつかこの業界で働きたいと思ったことがきっかけです。
特にバチカンの聖ピエトロ教会などは、実際に空間に身を置かないとすごさがわからなかったと思います。空間を自分の五感で感じることが大切だと強く感じました。何故この絵がこのように描かれているのか、どうして柱がこういう形なのかということを考え、いつか勉強したいと思っていました。
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今井曜子さん
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お久しぶりのスタッフブログ更新です。もう7月ですね。はやい!
さて、最近のAITはどんなことをやっているかというと。。。
まずは、展覧会。AITとバッカーズ・ファンデーションが行っているアーティスト・イン・レジデンス・プログラムで、2007年から2011年にかけて日本に来日した若手アーティスト10名による展覧会「ホームアゲイン―Japanを体験した10人のアーティスト」を8月下旬より原美術館で行います。
この展覧会では、彼らが前回の東京滞在で制作した作品と同時に、帰国後に制作した近作・新作もあわせて発表予定です。詳細はまた後日!
本日も受講生の声をご紹介☆
MADで学びはじめたきっかけや受けた感想について、うかがいました。
[本日の受講生]
Y.I.さん(写真右)
職業:人材系企業
MAD歴:1年
MADのレクチャーが終わった後に受講生をぱちり
MADで学びはじめたきっかけや、受講しての感想を聞きました!これからも少しずつ、受講生の声を紹介していきます。
[本日の受講生]
L.M.さん(写真中央)
職業:自動車メーカー
MAD歴:3年

いよいよ4月に始まる、現代アートの学校MAD2012。
今日から一人ずつ、MADのプログラムディレクターやスタッフが、それぞれのイチオシMADを紹介していきます!
STAFF 01: ロジャー・マクドナルド
AITの立ち上げメンバーの一人であり、MADのプログラムディレクター。
現在は長野在住、自身のアートスペースを構築中。週に数日、上京しMADや美大で教えている。
スウィーツと恋バナが大好き。宗教学で修士課程を修了、禅寺で修行をしていたことも。

・アートを学びたい人へ、一言!
こんにちは。モダン・アートコースを担当するロジャーです。
今、アートはすごく変化していると思います。すごいスピードで変わっていると思います。
その中でコンテンポラリー・アートは特に複雑で、面白くて、グローバルで、色んなことを我々に語ってくれている気がします。
どうやってこのアートを見るのか?どうやってアートを考えていけるのか?
私はアートを考えるという行為が、今最も面白くて、重要だと思います。
もちろんアートは感情や身体の体験です。しかしアートは最近できた運動ではなく、長い歴史と色んな人
たちの考えや実践の「結び目・つなぐもの」のようなものではないでしょうか?色んな行為、作品、経験とヴィジョンで、
成長してきた気がします。もちろん誰もが知っているアーティストや作品もあれば、ほとんど無名で終わったり、認知されてこなかった
アーティストや作品もあります。この「結び目」は、アートを支えてきたエネルギーだと思います。
現代アートの学校MAD2012年度のチラシが1月に完成しました。デザインは、「アートフェア東京」や「福武ハウス」、「原美術館(品川)」等のポスターやチラシ、カタログ等を手がけるアートディレクターの古平正義さん(FLAME)によるものです。
古平さんには、昨年、原美術館で開催した「アート・スコープ2009-2011 インヴィジブル・メモリーズ」展のポスターもデザインして頂き、色々とお世話になっています。
左:MAD2012 チラシ 右:「アート・スコープ2009-2011 インヴィジブル・メモリーズ」展チラシ
MADとは、「Making Art Differentーアートを変えよう、違う角度で見てみよう」の頭文字をとったもの。
2012年度のプログラムでは、コース制を設けたため、アート好きな仲間と一緒により楽しく、賑やかにアートが学べる!というメッセージを込めて、「Making Art Different」とAIT HPのURLが、様々な色やフォントで配置されたタイポグラフィデザインとなっています。
また、裏面には、MAD2012のレクチャー内容が記載されています。チラシは全国の美術館やギャラリーに設置していただいている他、MADのページからでもダウンロードしていただけます。ぜひチェックしてみてください。
MAD2012について>>
*今、MAD2012にお申し込みいただくと受講料が10%割引になります(2/29まで!)。
お申し込みは、お早めに!>>
エイトでは、12月19日(月)に、アーティストの福士朋子さんをお招きしてトーク+ワークショップ「つぶやきから世界が見える!?−ラッキーちゃんの4コママンガ講座」を開催しました。少人数制のワークショップでは、福士さんがこれまでに制作したFAXマンガ『ラッキー☆ラッキー』やホワイトボードを使用したマンガ形式の作品を紹介し、後半は参加者が実際に4コママンガを描くことに挑戦しました。マンガを描くには、構成や台詞使いなど、「マンガ的」な思考に頭を切り替える必要があります。絵画を描く福士さんにとっても、カンヴァスとマンガのフレームに描くことは全く異なる体験だそうです。
<ワークショップの様子>

いきなり描くのは大変なので、まずは4コママンガに登場させるキャラクターの名前、年齢、出身地、特技、性格、口ぐせなどの設定を考え、テーマである「最近つぶやいたこと」を絵にしていきました。最初は少し戸惑っていた参加者も、慣れてくると次の設定を考えたり、カラフルな色をつけたり、コマの外にも吹き出しをつけたりと、どんどん発展し、多い人は10枚近く完成させました。最後は、スクリーンに映し出し、一人一人発表。笑いあり、驚きあり、シュールなものもあり、その表現はとても多彩です。大人になってから日々の生活を振り返ってマンガの設定を考えたり実際に描いてみるという行為は、あらためて新鮮だったのではないでしょうか。
ここでは、参加者の作品を一部発表します。さて、どのようなつぶやきが見えてくるのでしょうか??
<開催概要と告知内容>
AIT ARTIST TALK #56 アーティスト福士朋子によるトーク+ワークショップ
「つぶやきから世界が見える!?−ラッキーちゃんの4コママンガ講座」
さて、これは何でしょう。
よーく見ると、本棚や折りたたみのイス、カラフルなティッシュの箱、ファイルやテレビ。これ、全部エイトのオフィスにあるもので作られています。この作品を制作したのは、現在、エイトのレジデンスで東京に滞在しているスウェーデン出身のアーティスト、マイケル・ヨハンソン。
さまざまな空間を、その場所にあるものをつかい、積み上げ、隙間無く埋め尽くすインスタレーションを制作しています。スウェーデンでは、フリー・マーケットに通い詰めては古い家具や電化製品、日用品などを集め、それらを一旦スタジオで保管。制作の際には、それらを使ってときには同じ色、形、また、生産された時代ごとなどにわけ、あらゆる隙間をきっちりと埋めていきます。小さなものであれば、食器や本など。大きいものであれば、その地域で使われていたコンテナやキャンピングカー、古い車など。場所の歴史や文脈によって、スケールはさまざまに変化します。
最初はペインティングやドローイングなど、平面作品を制作していたマイケル。一つの線を引くことで軸を決め、その周辺にディテールを足していくドローイングのプロセスは、やがて実際に手に持てる「もの」によって表現されるようになります。