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エミリア・ウッコネン
Emilia Ukkonen
アーティスト
ヘルシンキ(フィンランド)在住。ヘルシンキ芸術大学とストックホルムにある王立美術大学で学んだエミリア・ウッコネンは、映像を主な表現メディアとしながら、あらゆる形態を取り込んだ展示を行っている。アーティスト・イン・レジデンスプログラムを通して初来日し、滞在中は人々の不可思議で霊的な体験についてリサーチを行う。夢が現実になることや近親者が亡くなる直前に聞こえた説明不可能な足音、また亡くなった後に姿を見せるなどさまざまな話を通して、物差しで図り得ることへの限界を試そうとしている。不可思議な体験は、多くの場合やがてイメージが薄れ、本人の感覚以外に物質的足跡を残さないが、ウッコネンはありのままそうした人々の体験を記録している。
世界の見方は私たちをとりまく環境や文化が形作ると考えられ、そこから言語・視覚表現、解釈される経験も生み出される。ウッコネンは、作品を通して私たちの世界の本質について問いかけ、その形成に影響を与える要因について探求している。
これらの関心に加え、ウッコネンは人間が持つ愛情や喪失感、そして人間に近しい間柄であるペットを亡くした悲しみといった感情を作品やプロジェクトの中心に据え、これまでペットの墓地で撮影した写真や飼い主を映像に収めた表現に昇華させている。近年は、Photographic Gallery Hippolyte(ヘルシンキ、フィンランド)やLos Angeles Municipal Art Gallery(ロサンゼルス、アメリカ)での展示に参加するほか、これまでロッテルダム国際映画祭やヘルシンキ・ショート・フィルムフェスティバルにも参加するなど、幅広く活動している。
All artwork images by Emilia Ukkonen, courtesy of the artist