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AIT ARTIST TALK #81

画像:潘が上海や武漢での隔離期間中に制作したランタン

潘逸舟「武漢のランタン、ロックダウン」
ー 中国・武漢でのアーティスト・イン・レジデンス滞在報告

AITでは、6月3日(金)19:00より、アーティストの潘逸舟を迎えてARTIST TALK #81「武漢のランタン、ロックダウン」を開催します。

潘は、2022年1月から3ヶ月まで約2ヶ月にわたり、中国、武漢のアーティスト・イン・レジデンスに参加しました。本レジデンスプログラムは、「日産アートアワード2020」でグランプリを受賞した潘の副賞として機会が提供され、香港および中国各地に拠点を構えるK11アートファンデーションの協力の下、行われました。AITは、2015年より「日産アートアワード」の運営事務局を務めています。

本トークでは、潘が上海や武漢で撮影した写真や動画を紹介しながら、コロナ禍における隔離やロックダウンなど、移動そのものが困難な中でのリサーチや滞在生活、また、そこから構想した新たなプロジェクトについてお話しします。

潘は、映像作品、インスタレーション、写真、絵画など様々なメディアを用いてアイデンティティに言及する作品を制作しています。上海で生まれ、幼い頃に日本に移住した経験を持つ潘にとって、今回は初の中国でのアーティスト・イン・レジデンスとなりました。
今回の滞在において、潘は、中国入国後、上海および武漢で合計3週間にわたる隔離を体験しました。入国しながらも移動がかなわないこうした時間もリサーチの一環としてとらえることで、隔離中の自身の身体や精神などの変化を記録し、閉ざされた空間で想像し、制作することを試みました。

滞在終盤に到着した武漢では、「打豆腐」という中国の伝統的な楚劇(湖北省を中心に行われる、オペラのような地方劇)に出合います。その劇の中で夫婦が織りなす日常の些細な物語と、これまでの日常とは異なる隔離期間の自身の体験を重ねながら、現在、新たな映像作品の構想を開始しています。

海外への渡航や滞在がこれまでとは異なる形で体験される中、移動し、人々と出会う時間は、アーティストの中でどのように表現へと昇華されるのでしょうか。

トーク当日は、 AITの堀内奈穂子との対話形式で進行し、潘による最新プロジェクトの構想についてもお話しします。後半は、参加者のみなさんからの質疑応答も受け付けます。
是非お気軽にご参加ください。


概要
タイトル:AIT ARTIST TALK #81 潘逸舟「武漢のランタン、ロックダウン」
ー 中国・武漢でのアーティスト・イン・レジデンス滞在報告
スピーカー:潘逸舟
モデレーター:堀内奈穂子
日 時:2022年6月3日(金)19:00-20:30(90分)
場 所:オンライン(AIT Zoom ルーム)
定 員:50名
料 金:550円(税込)
主 催:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]


アーティスト・プロフィール

潘逸舟
美術家。1987年中国上海市生まれ。2012年東京藝術大学美術研究科 先端芸術表現専攻修士課程修了。現在東京在住。主な展覧会に2017年「The Drifting Thinker」MoCAパビリオン(上 海)、 2021年「MOTアニュアル2021ー海、リビングルーム、頭蓋骨」東京都現代美術館 (東京)、「ぎこちない会話への対応策―第三波フェミニズの視点で」金沢21世紀美術館 (石川)などがある。2020年、日産アートアワード2020グランプリを受賞。