Rika Fujii(AIT)
アルテメーヴァは、フィンランド文化財団のサポートを受け、2023年6月から8月まで日本に滞在しました。
AITが行うアーティスト・イン・レジデンスプログラムでは、2003年よりモンドリアン財団との連携によりアーティストやキュレーターを東京に招聘しています。本ブログでは、2023年に招聘したオランダ・ロッテルダム在住のエロイーズ・スウィートマン(キュレーター)のリサーチの様子を写真とともにご紹介します。
香道に触れて
モンドリアン財団とAITの芸術家滞在プログラムで日本に招聘中のキュレーター、Eloise Sweetmanと一緒に、9月の香道の会に参加してきました。

「香道」は香りを楽しむことを基本に、動作の中に精神性や心の落ち着きを求める日本古来の芸道。茶道や華道と並び、香道の歴史は室町時代の東山文化に花開いたものですが、香木を焚いて香を楽しむことは、飛鳥時代から行われていたといわれています。
日本橋人形町の松栄堂にて行われた東雲会の香席は、家流香道第23世宗家三條西堯水宗家が主催。平井暁貫師範がご案内してくださいました。香道の二つの流派のうち、公家の三条西実隆公を祖とする「御家流」の香席です。
その日、三條西堯水宗家が、香りの聞き方について教えてくださいました。(香りを心で聞き、感じる)
「組香」と呼ばれる、数種類の香りを聞き分ける遊びを体験。
仲秋の名月が近かったこともあり「月見香」という、香りの組合せと出された順番により、十五夜、待宵、十六夜、水上月、木間月、夕月夜など月の情景をさまざまに表す言葉に例えながら、香を聞き分けるという風情ある遊びです。

優美なお点前で、香元から出された香炉を手に、ひとりずつゆっくりと、添えた手の隙間から香りを聞いて、次の方に回していきます。
灰の上に置かれた香木からの香りは、儚さの中に深みがあるように感じられ、Eloiseも驚いていました。
師範曰く、香りの世界は奥深く神秘的で、時空を越えて私たちを幽玄の世界へと導いてくれるような、不思議な日本古来の芸道文化。

季節によって組香は変わり、五節句や24節気お香会ではお道具も変わるそうで、他の組香も体験してみたくなります。
静かに日本の伝統文化を継承している唯一無二の文化である香道の世界に、すっかり魅了されてしまいました。
ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

RESIDENCY とは?
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海外の文化機関や財団との協働を通じて、多領域で活動する芸術家や研究者を日本に迎え、知識と経験を共有する国際交流の場を創出しています