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ディープ・ルッキングーエネルギー論とアートスペースの未来

TOTAL ARTS STUDIES2023 秋冬プログラム
ロジャー・マクドナルドによるアート講座

オンデマンド・アート講座 TASプレミア「崩壊の時代の芸術体験」コース(全24レクチャー)付き

不安定な時代の中に生きる私たちの意識を切り拓くヒントとして、長年独自に取り組んできた研究をもとに、深い観察(ディープ・ルッキング)の歴史的背景やその実践について紹介したロジャー・マクドナルドによる著書『DEEP LOOKING 想像力を蘇らせる深い観察のガイド』*。2022年の夏に出版されて以来、日本全国の書店や読者から大きな反響がありました。

本コースでは、出版から1年を経て、著作には収録されていないディープ・ルッキングの新たな洞察を加えたレクチャーと体験を、全3回にわたり皆さんと分かち合います。

コースは3つの章で構成され、各セッションは10分間の静かな瞑想から始まります。その後、芸術作品を深く鑑賞します。

まず、最初のセッションでは、「芸術と瞑想」について考えます。そこでは、ヨガ、マインドフルネス、祈り、座禅など、さまざまな瞑想の歴史を紹介しながら、近年の批評的な観点も取り上げます。次に、「芸術と調和、エネルギー論」に焦点を当て、芸術を、私たちに強力な影響を与える目に見える/見えない力、あるいは波動として捉え、その歴史をたどっていきます。

最後に、気候危機と社会規範の分断の時代における「芸術とアートスペースの未来」について考えます。そこでは、アートと倫理の新たな地平が生まれる可能性を探るべく、多くの歴史的な事例を紹介します。

本コースは、芸術鑑賞が好きな方、芸術が持つ可能性や芸術の新たな理解を発見したい方におすすめです。もちろん、深い考察(ディープ・ルッキング)を通して創造的無意識へのアクセスを深めたい方、その実践的な知識を得たい方にも役立つでしょう。

定員に達し次第、受付終了とさせていただきます。お申し込みはお早めに!

*本コースは、ロジャーと行く長野 DEEP LOOKINGフィールドトリップvol.2 とあわせてご参加いただくことで、より多くの学びが得られます。

1.「芸術と瞑想」 Art and Meditation 120分

10月24日(火)19:00-21:00
芸術と瞑想の深遠な体験にはどのような繋がりがあるのでしょうか。瞑想がどのように芸術の認識や想定を変えるのか、その方法について考え、議論しながら、そうした認識に対する批評的な視点も紹介します。

セッションで取り上げるキーワード

  • アートと瞑想の関係
  • ヨーロッパ芸術の精神化
  • 芸術はどのような知識を生み出すのか
  • 資本主義リアリズムと意識
  • 非自己のテクノロジー

2.「芸術と調和、エネルギー論」 Art and Energetics 120分

10月31日(火)19:00-21:00
エネルギー、波動、調和の観点から芸術を考えることは、長く豊かな歴史を持っています。このセッションでは、エネルギーと芸術について興味深い理論を展開した20世紀の主要な思想家たちを紹介します。

セッションで取り上げるキーワード

  • アートとエネルギー論
  • ドイツの美術史家アビ・ヴァールブルクの信号とエネルギーとしての芸術理論
  • 絵画の顔料と波動
  • 音響心理学と音の波動の例
  • ドゥルーズ&ガタリ(哲学者ジル・ドゥルーズと精神科医フェリックス・ガタリ)のエネルギッシュな美学

3.「芸術とアートスペースの未来」 Art and Future Spaces 120分

11月7日(火)19:00-21:00
気候危機、経済システム、メンタルヘルスの課題など、大きな変化の時代を生きる私たちにとって、必要なアートスペースはどのような姿なのでしょうか。2000年代初頭の新しい美術館をめぐる議論「新制度主義 New institutionalism」を振り返りながら、戦後日本のオルタナティヴなアートスペースの事例を紹介します。

セッションで取り上げるキーワード

  • アートとこれからのスペース
  • 「美術館」ではないアートスペースへ
  • 日本の公民館と市民回復センター
  • 「新制度主義」の議論はどうなったのか
  • 危機における集団の喜び

概 要

コースタイトル:ディープ・ルッキングーエネルギー論とアートスペースの未来
インストラクター:ロジャー・マクドナルド(TOTAL ARTS STUDIES プログラム・ディレクター / フェンバーガーハウス館長)
日程:2023年10月24日(火)、10月31日(火)、11月7日(火)全3回
時間:19:00-21:00
場所:代官山AITルーム(東京都渋谷区猿楽町30-8 ツインビル代官山 B-403)
定員:15 名
料金:¥28,500(税込)
* 料金には、レクチャー代金のほか、オンデマンド・アート講座TASプレミア「崩壊の時代の芸術体験」コース(全24レクチャー / ¥13,200相当)、各セッションにつき1ドリンクが含まれています。
*ご欠席される場合は、後日オンラインにて録画したセッションをご視聴いただけます。

インストラクター

ロジャー・マクドナルド
東京生まれ。AITでは、設立メンバーの一人として、現代アートの学校MAD(Making Art Different)やTAS(TOTAL ARTS STUDIES)のプログラムディレクションなどを担当。2022年に『DEEP LOOKING(ディープ・ルッキング)想像力を蘇らせる深い観察のガイド』を出版し、吉本ばなな氏、坂口恭平氏をはじめとする多くの表現者、読者、書店から大きな反響を得る。雑誌POPEYEによるPOPEYE Webでは2021年より「ラディカル・ローカリズム」を連載。美術手帖が運営するアートポータルサイトでは、気候危機とアートについての連載記事シリーズ「Art and Climate NOW」を掲載中。

Coming soon!
堀内奈穂子によるアート講座「インスピレーション・プログラム:脳と心を遊泳する芸術体験」(仮)

「ニューロダイバーシティ(Neurodiversity 神経多様性)」や「メンタルヘルス」をキーワードに、AITが主催するdearMeプロジェクトや近年の美術館の実践、アートとメンタルヘルスケアの最新動向について、レクチャーと美術館での鑑賞プログラムを通して少人数でじっくりと学び合います。12/19のレクチャーでは、アートや科学、ケアを通じて社会にメンタルヘルスと心の多様性の理解を促していくことを目的としたオランダの美術館「Museum of the Mind」からゲストを招きます(逐次通訳あり)。

*dearMeプロジェクトでは2022年に「Collective Amazements Troupe(CAT)」を立ち上げ、オランダや日本の協働者とともに多様な子ども・若者との美術鑑賞ツアーや芸術体験を行う「インスピレーション・プログラム」を実施しています。

開催日時と場所(予定):
レクチャー:2023年12月12日(火)、12月19日(火)19:00-21:00 代官山AITルーム
鑑賞ワークショップ:2024年1月20日(土)13:00-15:30 都内美術館
回数:全3回
定員:15 名
料金未定 * オンデマンド・アート講座「芸術から眺めるこども、こころ、せかい」コース(全24レクチャー / ¥13,200相当)、美術館鑑賞チケット、1ドリンク(各セッション)付き