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カニータ・ティス
Kanitha Tith
アーティスト
(カンボジア)
プノンペンを拠点に、彫刻やパフォーマンス、インスタレーションなど多岐に渡るメディアを用いて領域横断的に作品を制作している。プノンペンのロイヤル・ユニヴァーシティ・オブ・ファインアーツにてインテリア・デザインを専攻し、2008年に修士号を取得した。フレンチ・カルチュラル・センターやボパナ・センターなど、カンボジア国内にある数々の主要な施設で展覧会を開催。近年の活動としては、2012年に、ベルリンのMeinblau and Mikael Andersen galleriesでの展示にて、プノンペンの自宅で行ったコミュニティ・プロジェクト「SurVivArt」で使用した部屋を移築し、再現するインスタレーションを制作した。また、映像制作にも関心を持ち、フランス系カンボジア人の映画監督Davy Chouとアメリカ系カンボジア人のミュージックバンド、Dengue-Feverのプロジェクトに衣装デザイナーとして参画し、コラボレーションを行った。2010年には、芸術活動を通じて、カンボジア女性の権利や社会的立場の向上のために貢献した女性に贈られる『You Khin Memorial Women’s Art Prize』を受賞した。
作品においては、ティスの個人的な経験や記憶と、急速に変化するカンボジアの状況など、身の回りで起こる変化・環境との関係性が表現されている。細い針金を編み込んで制作した彫刻作品は、カンボジアの伝統的な調理釜から集めたワイヤーなど、カンボジアでは日常的に見ることができる素材が使われている。そこには、子どもの頃の記憶に加え、個と公共をまたぐ場や、人とそれ以外のものの関係性への関心が映し出され、コミュニティが抱える問題との関り方、ジェンダーや女性のアイデンティティーなど、アーティストの役割とその可能性への問いが表現されている。ティスの作品は、近年のカンボジアが迎えている個と都市空間における経済や社会の変化や、身の回りの環境の変化を喚起する、視覚的で詩的な表現であるといえるだろう。
滞在期間:2015年5月14日-8月7日まで
助成機関:バッカーズ・ファンデーション
展覧会:The BAR Vol.8 「Today of Yesterday – 過去に在る、いま」カンボジアからのアーティスト、ラッタナ・ヴァンディーとカニータ・ティスの新作展 (2015年7月11日(土) – 2015年7月25日(土)、 会場:山本現代)
オープニング・レセプション:2015年7月11日(土) 18:00 – 20:00
トーク: AIT ARTIST TALK #67 「映像とトークで触れるカンボジアの『過去に在る、いま』」カンボジアより、アーティストのラッタナ・ヴァンディーとカニータ・ティスを迎えて (2015年7月15日(水)19:00-21:00 会場:AITルーム代官山)
作品紹介
"Endlessly"(2011), Photo by Heng Ravuth "Untitled" (2011), Photo by Heng Ravuth SurVivArt project (Phnom Penh)