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ACCJ年末トークイベント:一年を振り返り、次の一歩へ 〜2025年の活動と、気候危機とアートの世界の最新ニュースを紹介

12月16日(火)18:30より、アートセクターから気候危機について考えるプロジェクト「アート・クライメイト・コレクティヴ・ジャパン」(ACCJ)のこの一年を振り返るトークイベント「Green Study Meeting vol.9」をオンラインにて開催します。ぜひお気軽にご参加ください。

photo: ロンドンで準備が進められている資材リユースのための拠点「Material Store」(2025年11月)


AITでは、12月16日(火)に、アートセクターから気候危機について考えるプロジェクト「アート・クライメイト・コレクティヴ・ジャパン」(ACCJ)のこの一年を振り返るトークイベント「Green Study Meeting vol.9」をオンラインにて開催します。今年最後のイベントでは、気候危機とアートのアクションをめぐる、イギリスの最新ニュースをはじめ世界のニュースを紹介するほか、ACCJのこれまでの1年を振り返ります。

本イベントは、日本や海外で同じ課題に取り組む人々の声や表現を共有しながら再びつながり、考えを深め、来年へ向けてエネルギーを取り戻す機会です。年末のひととき、お気軽にご参加ください。


・2025年のACCJ

2024年のプロジェクト開始以来、ACCJは、日本のアートセクターを、より持続可能で環境にも人にも配慮したものへと変えていくための活動とアドボカシーを広げてきました。継続して開催している勉強会と、アーティストや美術館ほかアート関係者との対話を通じて、新しいネットワークや協働の芽が育ちつつあります。

2025年は、美術家の森村泰昌さんをはじめ美術館やアート関係者へのインタビュー、そしてアーティスト三原聡一郎さんや舞台美術家の大島広子さん、資材循環プロジェクト「周活/shukatsu」を主宰するアーティスト岡 碧幸さんらゲストを交えた勉強会を行うなど、活動の輪を広げてきました。

・トークについて

トーク前半では、今年11月にロンドンで開催された「London Art + Climate Week」について、現地を訪問したAITグリーンチームのメンバー・竹田春菜が、写真とともに最新レポートを皆さんに共有します。これは、テート美術館やバービカンセンターほかイギリスの主要な美術館・ギャラリー・文化施設が集い、気候変動対策やコミュニティ、創造性を祝う5日間のプログラムです。

左: 2025年7月に発行したACCJの冊子『ARON’S JOURNEY』表紙、右:「London Art + Climate Week」のイベントの様子

後半は、ACCJの冊子『Aron’s Journey(アーロンズ・ジャーニー)』共同編集者の井出幸亮さんをゲストに迎え、AITのグリーン・チームとともにこの一年を振り返りながら、アートと環境をめぐる最新の国際的な動きを紹介します。

政治的・経済的な不安定さが増すなか、気候危機や生物多様性の喪失への関心は世界的に薄れつつあります。しかし、そうした今こそ、アートセクターから声を上げ、小さなことからできることを共に実践していくことが求められています。たくさんの方のご参加をお待ちしております。


概 要

日 時 2025年12月16日(火) 18:30〜19:30(開室 18:20)
場 所 オンライン(Zoomウェビナー)
参加費 無料、事前申込制
言 語 日本語
定 員 50名
主 催 NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
助 成 公益財団法人 石橋財団

*一般向けは配信のみとなります。視聴中のご質問等は、チャット欄からお寄せください。


スピーカー
・井出 幸亮(編集者)
・竹田 春菜(AIT プロジェクトメンバー)
・ロジャー・マクドナルド(AIT共同設立者 / AITグリーン・チーム リーダー / フェンバーガーハウス館長 / 多津衛民藝館館長)
・ほかAITグリーン・チーム

内容
・ロンドンのアートと気候アクション最新レポート
・ACCJの1年間の活動の紹介、井出さんとの対話
・世界の気候危機とアートの最新ニュース(ロジャー・マクドナルドほか)
・ディスカッション、Q&A


【スピーカー】

井出 幸亮(編集者)

編集者。1975年大阪府生まれ。雑誌『Subsequence』(cubism inc.)編集長。「POPEYE Web」シニアエディター。主な編集仕事に『ズームイン! 服』(坂口恭平著/マガジンハウス)、『ミヒャエル・エンデが教えてくれたこと』(新潮社)、『細野観光 1969-2021 細野晴臣デビュー50周年記念展オフィシャルカタログ』(朝日新聞社)など。著書に『アラスカへ行きたい』(新潮社、石塚元太良との共著)がある。

ロジャー・マクドナルド(AIT共同設立者 / AITグリーンチーム リーダー / フェンバーガーハウス館長 / 多津衛民藝館館長)

東京生まれ。イギリスで教育を受ける。学士で国際政治学、修士では神秘宗教学を、博士課程で美術史を学ぶ。長野県佐久市に移住後、2013年に実験的なハウスミュージアム「フェンバーガーハウス」をオープン、館長を務める。AIT設立メンバーの一人。AITでは教育プログラムの講座シリーズ等のディレクションを務める。2024年「平和と手仕事多津衛民藝館」(長野県佐久市)館長に就任。著書に『DEEP LOOKING(ディープ・ルッキング)想像力を蘇らせる深い観察のガイド』(2022年、AIT Press)。美術手帖ウェブのシリーズ連載「Art and Climate NOW」を担当。
photo by Sayaka Takizawa

竹田 春菜(AITプロジェクトメンバー)

東京とロンドンを拠点に活動するキュレーター/ライター。Goldsmiths, University of LondonにてContemporary Art Theory(MA)およびAdvanced Practices(MRes)を修了後、大和日英基金にて展覧会やイベントの企画・コーディネーションを担当。資本主義社会における構造的抑圧に対し、自己組織化された抵抗や芸術実践がどのような可能性を開くのかを主題に、リサーチとプロジェクトを展開している。

AIT グリーン・チーム

ACCJの活動について企画、実践するチーム。アートセクターのCO2削減や気候危機についての情報収集・発信、ネットワーキングを考える。年間のカーボン監査をはじめ、脱炭素に向けて効果的なステップを踏む団体として、GCC(ギャラリー気候連合)のアクティヴメンバーにAITが正式に認定されたことを機に発足した。

【アート・クライメート・コレクティヴ・ジャパン(ACCJ)について】

2024年にAITが始動した、気候危機とアートのアクションを考えるプロジェクト。アートセクターの気候危機への意識向上と理解促進、また、その対策における有用なツールやリソースの発信、協働と支援の場を提供することで、アートセクター全体が地球環境に配慮した活動を構築することを目的としています。https://accj.a-i-t.net/

【Green Study Meeting (GSM)について】

2023年より不定期で開催している、課題の共有や仲間づくりを目的に、気候危機とアートのアクションを考える勉強会「Green Study Meeting」(GSM)。各回異なるゲストを迎えた勉強会と対話を通じて、こうした関心をより多くのアート関係者の方々と共有したいと考えています。勉強会レポート:https://accj.a-i-t.net/articles/report

▼これまでの勉強会

第1回:2023年6月@AIT
第2回:2023年10月@Yutaka Kikutake Gallery
第3回:2024年2月@森美術館
第4回:2024年5月@CADAN 有楽町
第5回:2024年7月@AIT
第6回:2025年4月@TODAビルディング「APK ROOM」
第7回:2025年6月@ブリティッシュ・カウンシル
第8回:2025年7月@札幌「周活 / シュウカツ」

「London Art + Climate Week」より
環境に配慮した輸送のために作られた汎用クレートRokboxの展示
「London Art + Climate Week」より
ギャラリーでのアーティストによるトーク、ワークショップの様子