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AITは2001年、現代アートに興味がある誰もが学び、対話し、思考するプラットフォーム作りを目指して、6名のキュレーターとアート・マネジャーが立ち上げた非営利団体です(2002年法人化)。

設立から20年に渡り開講してきた現代アートの学校「MAD (Making Art Different=アートを変えよう、違った角度で見てみよう)」(*1) は、第一線で活躍するアーティストやキュレーター、研究者や小説家など領域横断的に活躍する多くの専門家を講師に迎え、年代や職業、関心もさまざまな2000名以上の受講生とともに、対話を通じて多角的に社会を捉えるアートの学びを深めてきました。こうして生まれた豊かな関係性は、修了生とAITによる共同のアートプロジェクトの立ち上げにも発展しました。

2003年に開始した「アーティスト・イン・レジデンス」では、アーティストやキュレーターを海外から受け入れる体制を整え、率先して新しい仕組みを取り入れてきました。また、美術館や財団と協働して独自の視点からキュレーションした展覧会や国際シンポジウム、ワークショップ、アートツアーの企画を行うほか、近年は、企業と創造的価値を生み出す新しいプロジェクトや、日本を代表するアートアワードの運営を通して芸術文化の今を広く発信し、現代アートがもつ多様な側面を幅広い社会層に伝えています。

こうした取り組みを通じて、現代の複雑な社会状況の中、見えにくい存在をより可視化するための試みに注力し、多様な当事者の存在や聞こえにくい声を芸術を通して発信、世界を多角的な視点から考えるきっかけづくりを行なっています。

設立から四半世紀を目前に迎える今、私たちが生きる世界は、はかり知れない危機的な環境問題や人権問題、複雑な社会課題、世界的疫病の流行など、あらゆる分野が複層的に絡み合う困難な状況を、一人一人が考える時代にいます。特に、地球規模で進行する気候危機は、現実的かつ即時的な影響をともなって現前化し、近い未来、地球上の全ての生命が前代未聞の環境の変化の中で生きることを余儀なくされるといわれています。

AITでは、これまでに培った経験と、世界に広がる協働パートナーとともに、芸術文化を通じて環境や社会、暮らしの持続可能性に深く関心を寄せ、次の20年の歩みを進めていきます。特に、近年取り組むテーマ、ホリスティック(よりよく生きる)を中心に、芸術を、より複雑で感覚的で、これからの時代を生きぬく想像力を養う「道具」(*2)として捉え、革新的なプログラムを通じて、芸術が果たしうる役割と未来について考え、行動していきます。

 

*1) 2001年より継続してきた「MAD (Making Art Different)」は、2020年より「Total Arts Studies(TAS)」に名称を変え、気候危機やさまざまな社会課題、福祉や医療などを芸術の表現を通して考えるプログラムをはじめ、複合的な学びを企画・実施

*2) ここでいう「道具」とは、古代から人々が培ってきた智慧、思考の実践のこと