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TAS2020レポート:ズームインアート − コロナの時代に「ギガピクセル」のアート作品を見る(2020年11月18日)



現代アートの教育プログラム「Total Arts Studies 2020
UBIAゼミ「静かになった美術館:パンデミックや気候危機からアートを考える(UBIOS=宇宙美術オンラインシリーズ)」より
日時:11月18日(水)19:00-20:30 講師:ロジャー・マクドナルド(AIT、フェンバーガーハウス館長)
場所:オンライン(AIT Zoom ルーム)


COVID-19の影響で多くの美術館が休館となった今年、オンライン上でアート鑑賞をする機会が増えた方も多いのではないでしょうか?2011年にGoogle が公開したGoogleアートプロジェクトはアップデートが繰り返されながら「Google Arts & Culture」に発展し、2020年6月には「Art Camera」によって撮影された約1800の超高画像度「ギガピクセル」画像作品がオンライン上で公開されています。こうしたデジタル技術は私たちの鑑賞体験をどう変えていくのでしょうか?



レクチャーでは、まず、こうしたアート作品の複製・デジタル化・アーカイビングといった試みの歴史を紹介しました。"ギガピクセルの画像データによる鑑賞体験の変化" は、1935年にドイツの批評家ヴァルター・ベンヤミンが『複製技術時代における芸術作品』のなかで指摘した、"写真をはじめとする複製技術によって根本的に鑑賞体験が変わる"という論考にもつながるのではないかとロジャーさんはいいます。

ギガピクセルのデジタルデータに変換された絵画作品は、通常肉眼では見えないディテールまで見えるため、アーティスト本人でさえも気づかなかったような細部まで画面の中で鑑賞することができるといいます。

また、ディスプレイの中では、"高コントラスト・高輝度・高精細" な絵画を見ることができるのがあたり前になっていき、これはリアルな世界での鑑賞にはない要素だと指摘します。時代とテクノロジーによってイメージを理解するための"文脈"が変わっていくことについての解説がなされました。

美術館・ギャラリーといった近現代のアートを支えてきた制度は、それらの施設の固定化されたスケールの中で発展してきました。ディスプレイの中で "高コントラスト、高輝度、高精細" の世界に没入して鑑賞する体験は、これらの仕組みをも変えていくのかもしれないと考えさせられるレクチャーでした。


高砂理恵

2020-12-11

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